【保存版】セントマーチンズのファンデーションコース留学を徹底解説

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先日セントマ情報を探しているという方からお問い合わせをいただきました。

セントマのファンデ留学を考えて情報収集しているけど、いまいちよくわからない。概要を教えてもらえたら嬉しい」

ということでした。

確かに、私も自分が入学する前はいろいろ調べてもわからないことが多かったなと思ったので、

今回セントマのファンデ留学の概要についてまとめてみました。

セントマーチンズとは?

セントラルセントマーチンズとは、ロンドン芸術大学のカレッジのひとつで、
特にファッションにおいて世界的な実績のある大学です。

卒業生には

  • ジョン・ガリアーノ
  • ステラ・マッカートニー
  • アレキサンダー・マックイーン
  • ポール・スミス
  • フセイン・チャラヤン
  • ジェームズ・ダイソン
  • テレンス・コンラン
  • ギルバート&ジョージ

などといったファッション、芸術業界の重鎮の名が並ぶ、世界でも評価の高い名門校。

『ご近所物語』の美果子の留学先はここだったに違いない!と私は勝手に思っておりますw
(あ、これって世代違ったらわからなかったりするのかな?^^;)

ちなみに「ロンドン芸術大学」の中の「カレッジ」の一つと説明しましたが、
大学とカレッジについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
UAL ロンドン芸術大学とは

ファンデーションコースとは?

ファンデーションコースとは、簡単にいうと「学部入学準備コース」です。

日本でいう予備校みたいなものです。

予備校と違うのは、これもれっきとしたロンドン芸術大学の学部なので、

セントマーチンズ卒業といえますし、MA(学部)やBA(大学院)と同じく卒業資格が得られます。

そして、UAL卒業生向けの情報や機会なども全て享受することができます。

また、もう一つ予備校と違うのは、予備校が「塾」的な行っても行かなくても良いものなのに対し

ファンデーションコースは基本的に入学必須です。

イギリスの高校を出て芸術大学に進学を希望する人は全員がこのファンデーションコースを受ける必要があります。

つまり予備校とは違い、正規の大学の過程なのです。

留学生の場合、既に取得している学位によってはファンデーションを免除できることもありますが

専門学校卒や美術系の大学を卒業していない場合、ファンデーションからの入学を勧められることが多いです。

ファンデーションコースの期間

ファンデーションコースの期間は約1年間です。

9月始まりで、次の年の6月に卒業制作をして修了です。

タームは3つに分かれています。

・秋ターム
9月〜12月のクリスマス前まで
・春ターム
1月から3月まで
・夏ターム
4月〜6月まで

の3つです。

ファンデーションコースの内容

とにかく手を動かして作りたい人向け

頭で考える「授業」的な内容ではなく、

作って、作って、作りまくって、

その中でリサーチ方法や、アイデアをどのように形にするかを学ぶコース。

大学では「自分で手を動かして作ること」を学びたい、と思っている人にはぴったりです。

逆に、「美大を卒業し、既に社会人経験も長く、今後は人に指示を出してアートという視点でビジネスをしたい」

という考えの方は、大学院(MA)などを考えた方がいいかもしれません。

私が入学した時は

・普通の4大卒で「作る」経験が少なかった
・美術系のコンセプト作りを学びたかった
・社会人留学なのであまり長くは大学に在籍したくなかった

などの理由から、1年間でみっちり作れるファンデーションを選びました。

授業の内容

セントマーチンズのファンデーションコースの授業は4つのジャンルからなっています。

  • 3Dデザインと建築
  • ファッションとテキスタイル
  • ファインアート(芸術)
  • グラフィック&コミュニケーションデザイン

1学期目の秋タームにこの4つのジャンルを全て受けて適性を見極めるか、

はじめから一つのジャンルに絞って1年間受講するかで2パターンの入学方法があります。

2パターンとは

  • Diagnostic mode(一般コース)
  • Specialist mode(専門コース)

です

Diagnostic 一般コース

ダイアグノスティックコースは、一般コースです。

1学期目で4つのジャンルの制作を体験し、
自分が何をやりたいか見極めた上で2学期目以降そのジャンルに特化していきます。

「芸術系をやりたい、だけどアートがいいのかデザインがいいのか、まだちょっと迷ってる」

という人はこちらのコースがオススメです。

大抵の生徒がこちらに入ります。

<カリキュラム>
秋ターム:上の4つのジャンルの授業をまんべんなくやる
春ターム:絞った一つのジャンルの授業をやる(例:グラフィック)
夏ターム:選んだジャンルの卒業制作

Specialist 専門コース

スペシャリストコースは、専門コースです。

初めから上記の4ジャンルから一つを選んでその分野の授業だけを受けられます。

「ずっとグラフィックをやってきたしこれからもグラフィックを極めたい」

「セントマでは絶対にファッションを学びたい」など、

自分が将来進みたい分野に確信がある場合は、こちらのコースがオススメです。

<カリキュラム>
秋ターム:入学時に絞った一つのジャンルの授業をやる(例:グラフィック)
春ターム:絞った一つのジャンルの授業をやる(例:グラフィック)
夏ターム:卒業制作

ちなみに私はスペシャリストコースのグラフィックデザインを選びましたので、1年通してグラフィックの授業ばかりを受けました。

 

この2つのコースは初めは分かれていますが、春ターム以降は入り混じってクラスが決まるので、実質違うのは初めの秋タームだけです。

どちらがレベルが高いとかいう考えもありません。

少しでも迷ったら一般コースの方が良いと思います。

ファンデーションコースの費用

気になるファンデーションコースの費用ですが、
イギリス人あるいはEU所属国の学生向けとその他の外国人学生向けで値段が大きく変わります。

日本から留学する場合はもちろん、その他の外国人学生に当たるので留学生向け費用を払う必要があります。

2018年9月始まりの留学生向け費用は

£15,460 +登録費用(去年は£130)のようです。
※参照元:FOUNDATION DIPLOMA IN ART AND DESIGN

現在イギリスポンドのレートが1ポンド=153.52円なので、

そのレートで日本円に換算すると約240万円です。

た、高い…!!!

正直、私が受講した時よりびっくりするくらい上がってます(T_T)

私が受講した時は£10,400でレートもラッキーなことに底値を売っていて120円程度でした。

なので120万円くらいだったのですが、値上げとレートの変動で2倍にもなるとは…。

もし、今これを読んでいる皆さんがセントマ留学を考えていて、

留学できる状況であれば、できるときにしておいた方がいいかもしれません。

ちなみに、ず〜っと昔(といっても15年前くらいまで)、イギリスの国立大学は政府の運営の元にあり、授業料も無料だったりものすごく安い値段だったらしいです。(日本でも国立大学が安いのと同じ)
が、不況により、政府が大学も民営化だ!と、各大学に自治を言い渡したため、各大学が自身で授業料を設定することになりました。
セントマのような世界的に有名で海外からも入学したいという人が後を絶たない大学は、値上げをしても入学希望者は減らないので(世界中のセレブが子供を入学させるので、、、)どんどん値上げされていってしまうんですね。

ちなみに、、、イギリス人あるいはEU所属国の学生の場合、

授業料はぐっとやすくなり、19歳以上なら約5,420ポンド、19歳未満なら0円です!

家族がEU圏に単身赴任してて税金払ってたとか、

親戚にEU人がいるとかいう人はそのツテを使えないかも探ってみた方が良いと思います!

ヨーロッパは主張のしようによっては通ったりしますんで!

ファンデーションコースの受講資格

日本からの留学の場合、

・高校卒業資格
・IELTS for UKVI 5.0以上
(さらにリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの各科目で最低4.0以上が必須)

が受講条件になります。

英語力に関しては、入学試験時には足りていなくても、入学までに取得すれば大丈夫です。

ファンデーションコースの入学試験

入学試験は日本で受けられます。

日本で受ける場合「ユニバーシティ・コンサルタンツ」というロンドン芸術大学公式の日本代理店が試験を開催してくれます。

ユニバーシティ・コンサルタンツはUAL(ロンドン芸術大学)公式の機関なので、相談料などが全部無料です。

東京とロンドンにしか事務所がないのがちょっとネックなんですが、

入学までの情報は全てここでゲットできるので、まだいっていない人は今すぐにでも連絡してみてください。

経験者のTips
※一つだけ経験者としてのTipsをお伝えすると、授業料の支払いはユニコン経由だと銀行振込になるのですが、セントマに直接払うとクレジットカード払いができるので、セントマに直接クレカ払いができるか聞けばよかったなーってことです。

200万の支払いとかになってくるとクレカで支払ったポイントで無料でロンドン行き航空券手に入れられる可能性もありますからね。

話が少し外れてしまいましたが、入学試験の内容についてです。

セントマ入学試験の流れ

  • まずはユニコンに連絡します。
  • いつ頃試験が受けれるかなどを詳しく教えてくれます。
  • 「試験希望」となったら、申込書と必要書類を送ります。
  • 試験の日程が確定します。
  • 試験会場であるユニコン東京事務所にいって試験(面接)を受けます。

セントマ入学試験の内容

入学試験は面接でした。

自分で用意したポートフォリオ(的なもの)を持って、セントマの試験官の先生に見てもらい、

  • 自分がこれまでやってきたこと
  • なぜセントマで学びたいか
  • なぜファンデで学びたいか

 

などをプレゼンします。

プレゼンっていうほど堅苦しいものでもなく、おしゃべりする感じです。

というか、ユニコン経由でセントマで学びたいという日本人は英語力がなさすぎるので

まず英語の時点で躓きますw

(もちろん私もそうだった笑)

が、ユニコンで試験を受ける場合は、ユニコンスタッフが横にいてくれ、面接官の質問の意味がわからない時はサポートしてくれます。

これは本当にありがたかった!

一人じゃ絶対に満足に会話できなかったでしょう^^;

 

ちなみに私は2年連続で面接を2回受けました。

というのも、1年目はダイアグノスティックで受かったのですが、授業料が準備できず、

合格持ち越しのデポジットも払うことができなかったので、

2年目再度受験という形になりました。

(合格したけど諸々の理由で行けない場合、デポジットを払うと次の年まで合格を持ち越しできます。デポジット(預け金)なので、次の年には残りの費用を支払えばOKです。)

2年目も同じ面接官に試験してもらったのですが、「グラフィックをやりたい」という気持ちがより固まっていたので、

グラフィックデザインのスペシャリストコースを希望し、通りました。

セントマ入学試験の勉強方法

 

  • 2年面接を受け、ユニコンスタッフから色々アドバイスをもらった
  • 面接会場で前数人分の面接の様子を2回分見てきた
  • 実際セントマに通い何が重視されるのかを見てきた

という経験から、ちょっとは面接のポイントがわかった気がするので、

これから受験される方のためにシェアしたいと思います。

ポートフォリオはクロッキー1冊で十分

ポートフォリオのために、ヌードクロッキー会に通い、クロッキー帳1冊分のヌードクロッキーをしました。

それに加え、デザイン会社で働いていた時の作品を1冊のポートフォリオにまとめていきました。

結果、クロッキーはじっくり見られましたが、デザイン会社時代の作品はほぼ評価されませんでしたOTZ

ファンデに関しては、自分の手を動かしたものが見たいらしい(会社員時代のも手うごして作ったんだけどさ!)。

体を使って描いたもの、作ったもの。

まぁとにかくクロッキー1冊で十分でした。

商業デザインは評価の対象にならない

会社員時代のものがなぜ不要扱いされたかというと、

「商業デザインだから」と「完成品しか貼ってなかったから」です。

まず、セントマは芸術大学として、その人の個性、その人の内側から出てきたものを評価するので

誰かの要望に合わせて作ったものであり、最終形態がプロに印刷されたものである商業作品はウケが悪いのかなと思いました。

特に手で作ることを重視するファンデーションコースだからというのもあると思うけど。

作品もだけど過程を見せることが大事

これはファンデを卒業してから気づいたのですが、セントマのコースでは、

完成品はもちろん、その作る過程がどうだったかをすごく評価されます。

授業の中でも「スケッチブック(過程を全部書く)」や「インフォメーションファイル(集めた資料を全部まとめる)」や「ジャーナル(リサーチで気づいたことを日記にして書く)」が評価の大きな部分を占めています。

なので、会社時代の作品をポートフォリオにした時に、完成品しか貼っていなかったのがイマイチだったのかなと思いました。

意外に4大生有利

私としては専門学校や美大で学んだ経験がないのが不安だったんですが、

ことファンデに関しては、そんなことは全く関係なかったです。

セントマ内で出会った日本人留学生を見てみても普通の4大卒の人が結構いました。

ファッションに関してはものすごくコンセプチュアルであることを求められるので、論文などを書いてコンセプトを説明する力をつけた4大生人の方が逆に有利になることもある模様。

特に建築やってた人はいい印象持たれてました。

ファッションはやっぱりめっちゃ難しい

冒頭の紹介でもおわかりかと思いますが、やはり「セントマ=ファッション」です。

なので、ファッションの試験は厳しいみたい。

私の前にもファッションの学部入学希望で面接受けてた子がいたんですが、けちょんけちょんに言われてた、、、

ファッションはとにもかくにもコンセプト重視なので、

アピールするためには、作ったものを綺麗に見せるよりも、

構想段階のコンセプトブック作りを頑張った方がいいのではないかと思います。

ただファンデ入学時点ではファッションの実績はそんなにいらないので、

クロッキーを持って行くことと、いかにファッションを学びたいかを語れれば大丈夫だと思います。

(ファッションはファンデから入ってもセントマのファッションに上がるのもまた難しいので、確実な道はないですけどね><)

以上でファンデーションの入学試験についてはおしまいです。

ファンデーションを卒業してから学部(BA)に受かった時のポートフォリオや試験内容についてはこちらの記事に詳細を書いていますのでご覧ください。

セントマーチンズの学部(BA)に合格したポートフォリオ

2013/02/16

ファンデーションコースの定員

ファンデーションコースの定員は特に記載されていないんですが、たしか420人くらいだったような気がします。

面接をしてOKをもらえると仮合格状態になり、学費を払った順に席が確保されるというシステムでした。

私が試験を受けたのは1月頃で、仮合格の連絡が来たのが確か4月頃だったと記憶しています。

席が埋まるまでは募集が続いてました。

今年(2018/2019)のセントマの募集要項を確認してみたところ、

「ファッション&テキスタイル」のスペシャリストコースを志望の場合は2018年1月31日が申し込み締め切りのようです。

ただし、これはセントマに直接申し込んだ場合なので、日本代理店であるユニコンを通す場合、別の締め切りがある可能性が高いです。

ファッション&テキスタイルのスペシャリストコース志望の方はすぐにユニコンに連絡した方がいいと思います。

ユニコン
http://www.unicon-tokyo.com/

まとめ

以上、セントマーチンズのファンデーションコース留学についての徹底解説でした!

個人的には学費が信じられないくらい上がっていたのに衝撃です。。。

1年間で240万はなかなかキツイですよね。。。

ただ今後も下がることはほぼないと思われるので、頻繁にイギリスポンドのレートをチェックしておいて、安い時に交換しておくのがいいかもしれません。

(FXやると嫌が応にもレートを気にするようになるよw初心者にはDMM FXがわかりやすくておすすめ)

余談ですが、私は留学するって決めてから1年間お金を貯める期間があったので、投資をやってる友達に聞いたドルコスト平均法?的なやつで、毎月10万円くらいをポンドに変えていました。おかげでだいぶお得にかつ気持ちも楽に両替できたと思ってます。そのあたりまたいつか詳しく書きたいです。

ただ、セントマは本当にいい教育を受けさせてくれ、未来も広がる学校だと思うので、行きたい!って少しでもお考えの方は絶対行った方がいいです!断言します!

もし不安や気になることがあればお気軽にご相談くださいね^^

Naoでした♪

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2 件のコメント

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    ABOUTこの記事をかいた人

    早稲田大学卒業後、代官山のデザイン事務所にもちこみをしてデザイナーのキャリアをはじめる。その後20代後半でロンドンの美大セントマーチンズに社会人留学。約10年間グラフィック&Webの仕事を続けており、趣味はネットショッピングというWEB大好き人間。 【主な仕事】 WEBの制作・運営/Nao Creativeの商品企画・制作 提供中のメニューはこちら